大阪府堺市にある「丸市菓子舗」さんの創業は1895年。
老舗の和菓子屋が多くある堺ですが “千利休にちなんだ”和菓子を今も作り続けている貴重なお店です。 当時実際に千利休が使用した実印を形にした『利休古印』は、真っ白な和三盆糖でつくられた上品で唯一無二の干菓子です。
丸市菓子舗
地域で催される茶会の上生菓子や、堺市の大仙公園内にある日本庭園の茶菓子も担当され、地域の方々にも愛される和菓子屋さん。
お店にはいつも上生菓子4種が店頭に並び、季節の移ろいを感じさせてくれます。 上生菓子ファンとしては、お散歩中にちょっと立ち寄ろう!とそんな楽しみをつくってくれる大好きなお店です。
安土桃山時代の実印、利休古印で当時をのぞいてみよう
生菓子もステキなのですが、こちらに唯一おいてある干菓子(水分の少ない乾燥した和菓子の総称)も堪能してみたいと思い購入してみました。
蓋を開けると真っ白な干菓子が顔をだし、シンプルだけど存在感やどこか趣のある雰囲気に一瞬ハッとさせられました。 色味がついていない、真っ白な干菓子だけが箱に詰められている光景はとても珍しいです。
堺は室町・安土桃山時代に貿易が栄え、商人の町として知られています。
千利休は納屋衆(都市の豪商として船を持ち対外貿易で、巨富を蓄え自治都市運営の中心)として貿易をしており、その時代に利休さんが使用していた“実印”を写したお菓子になります。
この古印は二種類で一対。 四角いほうが竹判(認印)・丸い方が納屋判(実印)です。
丸い納屋判に刻まれている文字を右列から解読すると・・
「今市」=千利休が生まれた場所(現在の堺市宿院町)
「なや」=は納屋衆
一番左側の文字はキリシタン文字で現在解読不明だそうです。
利休さんは隠れキリシタンであったという話もよく耳にします。
利休さんが生きた時代に思いを馳せながら一服。 口に入れると甘く、サラッとなめらかに溶ける一方、ザラっとした砂糖の食感も楽しめて面白い干菓子でした。 色がつけられていないのも新鮮です。
原材料は、徳島県産の和三盆・上白糖・粉糖の三種類。
余計なものが入っていないためやさしく、本物の干菓子を味わったようで、改めて和菓子の奥深さを知った気がします。
干菓子は日持ちが長くありがたいです。
利休さんの時代を旅するようで、当時を知れる和菓子の面白さは尽きません。 また千利休にちなんだお菓子を手にできるのは、堺でしか味わえない特別なものかもしれませんね。
価格:540円(込) 10個入 日持ち:1年間 販売期間:通年
お店情報
住所:堺市堺区市之町東1丁2-26
電話:072-233-0101
営業時間:9:00〜18:00
定休日:水曜日
アクセス:阪堺線「大小路」駅より徒歩1分
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