4月。 はじまりの季節がやってきた。
だれもが心待ちにしていた満開の桜は、強い風に吹かれ今年は特にはやく、あっという間に舞い落ちた。
それと引き換えに、もう新緑の季節になったのかと思うほど、鮮やかな新芽をつけた葉や木々がいきいきと成長している。
人間たちも新たな環境に身をおき、きっとそわそわとなんだか落ちつかない人も多いだろう。
わたしは自分の心がざわざわし始めると、必ずといっていいほどノートとペンを手に取り、ありったけの思いを書き殴る。
お風呂に浸かったとき、本音を思いっきり口に出してみたりする。
この地味な作業はかなり効果的で、続けているとじわじわと心が穏やかになる感覚がある。
お風呂の栓をスポッと抜いてお湯を流すように、気持ちのデトックスができている気がする。
しっかりと自分がそう感じている!と認識して可視化する。
ネガティブな言葉だけでなくてポジティブな言葉も同じように。
これが「今の等身大の自分だなぁ」と受け入れられてくると、、
不思議なことに信じられないくらい心が穏やかになる。
それから自宅でのお抹茶時間もそうだ。
無心で茶碗に抹茶を入れ、湯を注ぎ、茶筅で泡立ててからゆっくりあじわって頂く
“今” だけに集中する。
なにごとも、今この時を疎かにしては…なににもならなかったりする。
今を生きるって、若いときは分からなかったけど、、
年を重ねるうちに、少しずつわかる世界なんだなぁ。
やわらかい日差しのなか、後ろから吹き抜けるような追い風に背中を押されたイメージで。
心新たにわたしの思い描く道をすすんでみようと、桜吹雪のなかでおもう。
▼季節のエッセイ集
コメント