毎年紅葉が色付きはじめ、心が高まる季節になると、と〜っても魅力的な展示会が開催される。
それが京都府上京区の弘道館で行われる『京菓子展 手のひらの自然』。
毎年テーマを変えて2015年から開催されており、今年は『徒然草』をテーマに。
徒然草の一文を参考にして作られる、なんとも美しすぎる和菓子たちに魅了される時間は、和菓子好きな方にはぜひ一度体験してもらいたい!と思うようなステキな空間です。
京菓子展2021 「徒然草」
地下鉄「今出川」駅(6番出口)より徒歩8分。
地下から地上へ出ると、目に入る建物の色合や空気感、静かなときの流れを感じ、京都に来た!と一気に体がワクワクしてきます。
京都御所を左手に歩きます。あの大きな門構え、高貴な建造物、いつ見ても圧巻されます。
色々な想像を膨らませながら歩く京都、本当に楽しい時間です。
有斐斎 弘道館
閑静な住宅街にひっそりあらわれる、京菓子展の看板。
そっと奥をのぞいてみるとツワブキや南天が鮮やかに咲いています。
こういういかにも日本、京都らしい雰囲気が大好きな私。
たまたま初めてここを通りかかったときに、めちゃくちゃときめいて吸い込まれていったのを思い出します。笑
石畳を歩き暖簾をくぐると、手入れの行き届いた京都らしい光景が広がります。
受付で、入館料とは別に呈茶セットを購入。
今回の京菓子展示品とオリジナルのお菓子4つの中から好きなものを選びます。
徒然草
中へ入ると、畳の部屋にずらりと京菓子が展示されています。
もう美しすぎて、一気にこの世界観に入り込んでしまう。
暗がりの中に、暖色のスポットライトを浴びて浮かび上がる京菓子たち。
きれいに整列され、デパートでみる和菓子とはまた違います。
和菓子の美術館のようで、ひとつひとつが主役です。
息をのむような美しさがそこにはあります。
京菓子とお抹茶で、一服
一通り愉しんだあとは、これも楽しみにしている呈茶席。
自分のすきなタイミングでお菓子とお抹茶をいただけます。
今回は『ほころび』を選びました。
道明寺羹製他、葛でつくられ、これがとっても美味しい。
上品な甘さに葛のもっちり感がまとっていてステキなお菓子でした。
徒然草第137段「花は盛に、月は隈なきをのみ、見るものかは〜」を参考にされているとのこと。
花は盛りを、月はかげりの無いのだけを見るべきものであろうか。雨に向かって月を恋しく思い、部屋に引きこもって春がどこへ行くのか、その行く末を知らないのも、いっそう趣深ものだ。
満月のかげりないのを千里先まで見渡せる所でながめるよりも、夜明け近くなって待ちに待った月が出たのを、たいそう心深く、青みがかったように、深い山の杉の梢に月が見えている、木の間の月影、さっと時雨を降らせた一群の雲に隠れている様子、比べようもなく趣深い。
徒然草 現代語役つき朗読より
不完全なものを美しいとする茶道の世界や、日本人にとってどこか胸にささるような言葉に、感性を揺さぶられるような気がします。
和菓子やお茶の世界は、想像の中で楽しみ方は何十通りもあり、本当に美しい世界だと思います。
また私は表千家ですが、こういう場でいただけるお茶は裏千家流のお茶が多く、とても楽しみにしています。
ふわっとキレイに泡たった抹茶が光ってみえとても綺麗。大変美味しく頂戴いたしました。
紅葉が色づきはじめたお庭も大変綺麗でした。
なんとも贅沢な京都の秋を堪能することができました。
みなさまもぜひ、ここでしか体験できない特別な時間をいかがでしょうか。
本会場 有斐斎 弘道館
住所:京都市上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524−1
電話:075−441−6662
時間:10:00〜17:00 最終入館16:30(休館日あり)
入館料:500円
呈茶:1000円
特別会場:重要文化財 旧三井家下鴨別邸
サテライト会場:ジェイアール京都伊勢丹
京都御苑 中立売休憩所「檜垣茶寮」
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