
秋分と聞くと、いよいよ秋が深まる頃だとわくわくしてきます。
お彼岸といえば、「お墓参りとおはぎ」はセットで日本人の生活に定着しています。
日本の暦を愉しむ
秋分とは?

春分と同じく昼と夜の長さがほぼ同じになります。
秋分の日はご先祖さまのお墓まいりをする「秋の彼岸」の時期です。
お彼岸といえばお墓まいり

春の彼岸は「春分の日」、秋の彼岸は「秋分の日」を中日とし、前後3日間の合計7日間のことを言います。
この時期になるとお墓参りに行く風習がありますが、なぜだかご存じでしょうか。
秋分(春分)の日は、太陽が真東から昇って真西に沈むと言われています。
仏教ではこの西の彼方にあると信じられているのが「極楽浄土」、ご先祖さまのいる「彼岸」を指します。
それに対比し東の方向、私たちのいる世界を「此岸」と呼びます。
太陽が真東から昇り真西に沈む彼岸の時期は、あの世とこの世が通じるとされ「お墓まいり」をする風習ができました。
彼岸にいる人々に想いを馳せるという意味では、お盆とお彼岸は同じようにも思います。
ですが、お盆は帰って来るご先祖さまの魂を迎え入れる。
彼岸は、こちらからご先祖さまに供養を捧げに行くというような違いがあります。
暑さ寒さも彼岸まで
秋分の日を境に夏の暑さがしずまり、春分の日を境に寒さも和らぐという意味の慣用句です。
また、彼岸になると「暑さも寒さも和らぐ=困難な状況でもあるときを過ぎると峠を越える」という意味合いでもあります。
お萩は季節で呼び名が変わる話

おはぎやぼたもちは彼岸のシーズンでは和菓子屋の店頭によく並ぶようになります。
お萩は餅付きとは違い、もち米の粒が残る程度に仕上げて丸め、そのまわりを甘いあんこがまとっているものです。
実は「お萩」と「牡丹餅」は同じものです。
しかし季節により呼び名が変わる、おもしろい和菓子なのです。
春は牡丹の花にみたてて「牡丹餅」
秋は萩の花にみたてて「お萩」
夏は「夜船」
ぼたもちはぺったんぺったんと餅をつく音が聞こえず隣の人はいつ付いたか分からない。
それを暗くていつついたか分からない夜の船とかけたことで「夜船」と呼ばれる。
冬は「北窓」
夏の夜船と同じ。着いたのが分からない、つき知らず。
それを月が見えない北側の窓とかけて「北窓」と呼ばれる。
おはぎの名前ひとつとっても深い意味があり、和菓子の世界はとても雅なものです。

おわりに
秋分を迎える頃、ご先祖さまへの思い込めてお墓まいりへ参り、おはぎをお供えするなどは私たちにとってとても大切な習慣であると言えます。
心を整えてから迎える秋は、一段とステキなものになるかもしれません。
つづいての季節はこちら

コメント